明かりを灯す

ブリキの玩具が音を立てて倒れた
規則正しく動いてたのに何処か錆びたかな
青信号 笑いながら渡る人
擦れ違う あの子の涙が傘に当たった
 
光と影の追いかけっこ
ほら、また忘れて立ち尽くす
遠くで揺れる いつかの日々
真っ白なままじゃいられないんだな
 
終わりの無い幸せを僕は探していたのです
あぁ もう そんなのあるわけないのにな
ヘッドライトに目が眩んで それはまるで暗闇の様
何も見えずに俯いてしまった
 
夜に溶ければ滲んだ街の色
それぞれの幸せを願う人達の明かり
 
僕が笑えば君も笑う
その裏側で誰かが泣いてた
 
あの子が落とした涙の音 聴こえたのに笑ったのです
あぁ もう そんなのまともじゃないよな
ヘッドフォンで耳を塞いで 雑踏の中に逃げ込む
誰かも僕と同じだったら良い
 
日々に落ちた影が僕達を染める
傘に当たった雨が弾ける
真っ白じゃいられないけど
優しくなりたいと立ち尽くすよ
そこにあるのが真っ暗闇だって
 
終わりの無い幸せは きっと無くて良かったのです
呆れるくらいに忘れてしまうから
雨は止んで畳んだ傘
不規則なブリキの音
そして僕の明かりを小さく灯した
 
朝が来て 水溜りは空の色
擦れ違う あの子の笑顔みたいだった