雪の唄

遠ざかる街を見送って

雪景色 線路が軋む

閉じた目蓋の裏に浮かぶ

出会い 別れ 積もる記憶

 

遠ざかる声を見送って

雪景色 涙で滲む

閉じた心の奥に尋ねる

白き想い 重なる記憶

 

朝の匂いとか 夕日が作る幼い影

夜が訪れば 切なく胸を締め付けた

 

深々と舞い降り重なった

ひとつ ふたつ ひらひらと

さよなら、と呟き手を振った

春が来ればまた溶けるのだろう

 

流れ辿り着く場所を思えば

同居する幸せや悲しみ

誰もが同じ方向へ歩く

受け入れられない この心

 

鮮やかに彩った電飾が街を灯してる

僕らは弱いから 月明かりだけでは寂しくて

 

深々と舞い降り重なった

ひとつ ふたつ ひらひらと

二度と戻らぬなら せめて

溶ける前に心に降り積もれ

 

遠ざかる情景見送って

それでも聞こえる足音が

乾いた空に響き渡る

明日を呼ぶ様に強く響く

 

深々と舞い織り重なった

ひとつ ふたつ ひらひらと

あなたと出会えて良かった、と

この季節にまた思うのだろう