赤い赤い風船が 青い空に飛んでった
宇宙に触れる事も無く 少女が一人悲しんでいた
毎朝ホームに並んでは うんざりして電車に乗った
ため息混じりの車内では 誰もが携帯電話をいじる
「オワリガクルマデノヒマツブシダヨ」
窓の向こうでは赤い風船が浮かんでいるのに
誰かの悲しみを想像するわけでもなく
赤信号に捕まって 青信号まで下を向く
動き出した人を見て 横断歩道を渡る
朝の匂いで目が覚めて
夜になれば目を閉じる
生きる事にも慣れてきて
酸化していく、心さえ
「オワリガクルマデノヒマツブシダヨ」
どうして僕らは終わりがいつ来るか知らないくせに
過ぎ去っていく1秒を大事に出来ないんだろう
窓の向こうで
赤い風船が
弾けた